旅行記 ~栃木&東京①~

空港には定刻に到着したが、機内で待ちぼうけをくらった。
昨晩の大雪で出航出来なかった航空機たちが残っているため、ボーディング・ブリッジ(搭乗橋)を取り付けるスペースの順番待ちということらしい。
どでかい航空機が蟻の巣のような滑走路内にうじゃうじゃいる。想像するとちょっと可笑しい。
「案内まで1時間程かかります」という機長のアナウンスが流れると、どよめきが起きたが、隣の席の女性はさっとポーチを取り出し、黒く長くアイラインを描き始めた。
こういう時に、ばちっと思考を切り替えられる人は潔くてかっこいい。

今回の旅行は2泊3日。3日目の相撲観戦以外、予定は入れていない。
旅行は計画するのが楽しい、ということはよく知っている。
卒業旅行で行ったNY。友人4人と計画を立てていた時の高揚感はもはや永遠の一歩手前だった。
でも1人旅をはじめて、回数を重ねる度に計画することはなくなっていった。
旅慣れたと言えば格好がつくが、単純に以前とは旅行の目的が変わってきているだけなのだと思う。

「日光に行こう」
飛行機の中に閉じ込められて1時間程たち、程よく溜まったフラストレーションに背中を押され、鉄道に向かった。